活字の関係性

前回の記事で、書体のカテゴリを説明しました。
カテゴリにはそれぞれ特性があり、その特性を活かすことで、デザインが生きてくることは説明しました。
デザインする際に複数カテゴリの書体を使うことは多々あることですが、その間に「関係性」が生まれ、その「関係性」がプラスにもマイナスにも働くことを説明します。

書体の関係性

一つのデザインの中に複数のフォント・スタイルを使うときにその間にはそれぞれ「関係性」が生まれます。
その関係性を把握することで、相乗的によく働く場合と、悪く働く場合があるので理解しておくことが大切です。

関係性は3つの「C」に分けられます。

  • 協調関係(CONCORD)
  • コントラスト関係(CONTRAST)
  • 衝突関係(CONFLICT)

この3Cは、書体の関係性を表す重要な3要素です。
この3つの中で、「協調関係」「コントラスト関係」は概ねプラスに働き、「衝突関係」はマイナスに働きます。

[wpap service=”with” type=”detail” id=”4839955557″ title=”ノンデザイナーズ・デザインブック [第4版]”]

協調関係

スタイル・サイズ・ウェイト(太さ)などにあまり差のない関係。基本的には単一の書体ファミリーを使用したときに生じます。
デザインの調和が取りやすく、格式高い印象になる一方で、単調で退屈なイメージを与えることもあります。

コントラスト関係

はっきりと違う要素や書体ファミリーを使うことで生じます。
コントラスト関係を上手く使いこなすことで、より効果的なデザインができます。
コントラストには、情報の構造を分かりやすくする効果があります。そのため、多くのデザインではコントラストを多用しています。

衝突関係

スタイル・サイズ・ウェイトなどが似ているフォントを使用したときに起こります。
「類似性」は、協調(統一)関係でもなく、コントラスト(対比)関係でもないため、NGです。

書体だけでなく、要素も衝突を起こす

これらの関係性は、活字と活字だけではなく、デザインないの要素と要素でも発生します。


一例では、似たようなオーナメント素材を複数使っています。
これらは、曲線や女性らしさは似ていますが、太さのコントラストなどの相違点が多くあります。

まとめ

マイナスに働く「衝突関係」を避け、プラスに働く「協調関係」「コントラスト関係」をうまく使うことでよりいいデザインになります。
コントラストを使いこなすには、書体の特徴を捉えている必要があるので、前回の記事「書体の基本カテゴリ6つ」が重要となります。

また、デザインをよくするためには、「どこが違うか」を探すのではなく、「どこが似ているか」を探すことで「衝突関係」を突き止め、改善に役立ちます。

[wpap service=”with” type=”detail” id=”B00YMSVD8E” title=”月刊MdN 2015年 7月号(特集:絶対フォント感を身につける/付録小冊子 フォント見本帳)[雑誌]”]

コメントを残す